家づくりは大工職人から学ぶ
みなさんこんにちは。
中津川市の注文住宅工務店 日建建設の水野です。
今日何気なく私がまだ駆け出しの社長のころを思い出して「あっ!そんなこともあったな」と気付いたことをお話します。
私たち建築のプロがお客様と間取りの打ち合わせをする時に図面を見ながら、これは使いやすい間取りでカッコいいお洒落な家だとかで決めていることが多いですよね。
確かにそれも大切なことですが、少し目線を変えてみると、まず間取りに常に関係してくることは耐震性のある構造であることとそれに伴う予算があります。
もう30年以上前に私が現場に行き大工さんと話していたことなんですが 「やっぱり間取りは簡単な方がいいな」と言うわけです。
「簡単?」少し意味が分からず話をしていると要は「簡単=シンプル」と言う意味なんですね。
頑固で無口な大工さんとの会話には勉強になることがたくさんありました。
そこで大工さんが言うシンプルな間取りとは
1.中途半端な大きさの部屋を作らない。
家の尺度は木造の場合基本は910ピッチ(3尺)1820ピッチ(1間)とありますが、例えば普通6畳ですと3640×2730の寸法になります。
これが3500×2500のように決まったグリットから外れてしまうとあちこちにシワ寄せがきて複雑な構造になってしまうのです。
結果的に2階の収まりも悪くなり、1階と2階の柱がずれてしまうことになってしまい耐震性も悪く材料費も上がってしまいます。
2.間仕切りを少なくする。
間仕切りが多いと廊下も長くなってしまい、余分な面積を取ってしまい職人さんとして作業がやりにくくなってしまう。
職人さんが動きやすい動線こそが実際に住む人が使いやすい間取りと言うことになります。
3.入り角、出角が少ない間取り
入り角と言うのは上図の◯の所ですが、出たり入ったりしたガタガタした家の設計をしないと言うことです。
それによって外壁の面積や屋根面積、資材の数量もかなり多くなって建築費がかなり上がってしまうことになります。
そう考えると理想的な間取りとは四角形でなおかつ1階と2階の面積が極力同じであることです。よく言われる総2階の家となります。
当然のことですが、耐震性もよく経済性も良いことから建築コストも抑えることができてお客様の毎月の住宅ローンの返済金額も少なくなります。
職人さんは間取りを現場で感じながらこの家は使いやすいかどうかが分かる訳です。
優秀な設計士さんや間取りを良く理解している営業マンほどシンプルな間取りを提案するはずです。
シンプル=強い
シンプル=デザインが良い
シンプル=使いやすい
シンプル=経済性が高い
現場で働いている職人さんとしての意見はとても大切なことだと当時を振り返り、そして今に活かしていくことがお客様の幸せに繋がっていくことになるんだと改めて思ったところでした。
シンプル=ベスト