日建のお役立ちコラム

断熱材の種類ごとに断熱性能を比較!後悔しない断熱材選びのチェックリスト

断熱性能は、住宅の快適性や省エネ性能に大きく影響する重要な要素です。
しかし、断熱材の種類は数多く、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
そのため、適切な断熱材を選ばないと、後々後悔する可能性も。

今回は、断熱性能の種類を比較し、後悔しない断熱材選びのチェックリストをご紹介します。

□断熱材の種類と特徴

断熱材は、大きく分けて無機繊維系、木質繊維系、発泡プラスチック系の3種類に分類されます。
それぞれの素材には、特徴やメリット・デメリットがあるため、住まいの条件やライフスタイルに合わせて適切なものを選ぶ必要があります。

*無機繊維系

無機繊維系の断熱材は、ガラスや鉱物を原料とした繊維状の素材です。
代表的なものに、グラスウールとロックウールがあります。

1:グラスウール

グラスウールは、リサイクルガラスなどを高温で溶かして繊維状にした素材です。
繊維と繊維の間に空気を多く含むことで、熱の伝達を抑える効果があります。
グラスウールは、断熱性能が高く、価格も比較的安価であるため、多くの住宅で使用されています。
また、無機繊維系のため、経年劣化しにくく、耐久性も高い点がメリットです。

2:ロックウール

ロックウールは、溶かした鉱物を繊維状にした素材です。
グラスウールと比べて、燃えにくく、耐熱性に優れています。
また、吸音効果も高く、騒音対策にも効果を発揮します。
一方で、グラスウールよりも重く、施工時に取り扱いが難しい点がデメリットです。

*木質繊維系

木質繊維系の断熱材は、木材や古紙などを原料とした繊維状の素材です。
代表的なものに、セルロースファイバーとウッドファイバーがあります。

1:セルロースファイバー

セルロースファイバーは、古新聞や古紙などをリサイクルして繊維状にした素材です。
木質繊維系の断熱材の中では、断熱性能が高く、調湿効果も期待できます。
また、環境負荷が低い点も魅力です。

2:ウッドファイバー

ウッドファイバーは、木材を細かく粉砕して繊維状にした素材です。
セルロースファイバーと比べて、断熱性能は劣りますが、調湿性や吸音性に優れています。

*発泡プラスチック系

発泡プラスチック系の断熱材は、プラスチックに気泡を発生させた素材です。
代表的なものに、ウレタンフォームとポリスチレンフォームがあります。

1:ウレタンフォーム

ウレタンフォームは、液体状のウレタン樹脂を吹き付けて発泡させた素材です。
気泡が細かく、密閉性が高いため、優れた断熱性能を発揮します。
また、施工性に優れ、複雑な形状にも対応できる点がメリットです。
一方で、燃えやすく、有毒ガスを発生する可能性がある点がデメリットです。

2:ポリスチレンフォーム

ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂を気泡状に発泡させた素材です。
ウレタンフォームと比べて、燃えにくく、耐水性に優れています。
ただし、断熱性能はウレタンフォームよりも劣ります。

□断熱性能の高い住宅を実現するための断熱材選びのチェックリスト

断熱材を選ぶ際には、断熱性能だけでなく、安全性、耐久性、施工のしやすさなど、総合的な視点で検討することが大切です。
以下は、断熱材選びのチェックリストです。

1:燃えにくいかどうか

火災時の安全性を考慮し、燃えにくい素材を選ぶことが重要です。
ロックウールやグラスウールなど、無機繊維系の断熱材は、燃えにくく、安全性が高いです。

2:湿気に強いかどうか

断熱材は、湿気によって性能が低下する可能性があります。
特に、木質繊維系は水に弱いため、湿気対策が必要です。

3:施工のしやすさ

施工のしやすさは、工期や費用に影響します。
グラスウールやポリスチレンフォームなど、施工が簡単な断熱材を選ぶと、工期短縮やコスト削減につながります。

4:環境負荷

環境への影響を考慮し、自然素材やリサイクル素材を使用した断熱材を選ぶことも大切です。
セルロースファイバーやウッドファイバーなど、環境負荷の低い断熱材もあります。

5:価格

断熱材は、種類や性能によって価格が大きく異なります。
予算に合わせて、適切な価格帯の断熱材を選びましょう。

□まとめ

断熱材は、住まいの快適性や省エネ性能に大きく影響する重要な要素です。
この記事では、断熱材の種類や特徴、選び方のポイントについて解説しました。
断熱性能だけでなく、安全性、耐久性、施工のしやすさなど、総合的な視点で検討し、最適な断熱材を選び、快適で安全な住まいを実現してください。

記事一覧へ